中華圏富裕層インバウンドマーケティングの行楽、コロナ後の「日本の新しい旅の形を学ぶ」ワークショップイベント「TRAVEL GREEN LIVE GREEN」を上海にて開催【イベント開催レポート】
2023.06.21
行楽ジャパンは、新世代の中国エリート層を対象に「JAPANESE MODERN」と「SUSTAINABLE LIFESTYLE」をコンセプトとした期間限定イベント「TRAVEL GREEN LIVE GREEN」を2023年5月18日(木)から5月23日(火)までの6日間、上海中信泰富広場 LG中庭 GREEN SPACEで開催しました。
このイベントは近年、中国国内で存在感を示し日本のインバウンド関連事業者にとって大きな影響を与える可能性がある、20代を中心した新世代の中国エリート層にむけて行われました。日本地方都市の観光と伝統文化の継承を紹介し、コロナ後の「日本の新しい旅と遊び方」を提案することを目的としています。
<コンセプトと実施背景>
本イベントのコンセプトは、「JAPANESE MODERN」と「SUSTAINABLE LIFESTYLE」と題し、コロナ後の「日本の新しい旅のヒントになる遊びかた」について、新世代の中国エリート層にワークショップを通じて学んでいただくことです。
中国政府の持続可能な生態環境を築く呼びかけに応え、中国文化旅游部は観光の持続可能な発展を促進する一連の取り組みを打ち出しています。また日本においては、2023年3月31日に観光立国推進基本計画(第四次)が閣議決定され、持続可能な観光地域づくりに関して2025年度までに達成する目標を定めています。
世界的に持続可能な観光のあり方が模索される中、サステナブルツーリズムは日中両国双方にとって重要なテーマであり、本イベントを上海にて開催しました。
<開催日時・場所、イベントの概要>
本イベントは、2023年5月18日(木)から5月23日(火)までの6日間、上海中信泰富広場 LG中庭 GREEN SPACEで行われました。初日の開幕式をへて、北海道、静岡県、富山県、九州地区、沖縄県など日本各地のエコ観光や伝統文化を紹介するワークショップを実施しました。また、「行楽CAFE」を期間中に常設し、サントリーJUSTIN COFFEEと連携し、ウイスキー入りの特製コーヒーの試飲を提供し、コーヒー文化が盛んな上海の若年層にウイスキーの魅力を楽しんでいただきました。「行楽SAKE Bar」では、初夏の季節にあう日本各地のお酒や日本酒の楽しみ方を提案する目的で試飲提供しました。獺祭やIWA5といった人気ブランドの日本酒や焼酎だけでなく、スパークリングワインやリキュール、梅酒、モヒートなどを提供しました。
<イベント概要>
– 開幕式
開幕式には、上海市文化 旅游局 宣伝プロモーション処副処長 荣蓉様、静安区商務委員会 副主任 王艶様、静安区文化 旅游局 副局長 華祥義様、中信泰富ビジネス資産管理有限会社 常務副総経理、上海中信泰富広場有限会社 総経理 呉軍様、在上海日本国総領事館新聞文化領事部長 米田麻衣様、日本政府観光局(JNTO)上海事務所次長 飯田暁絵様、日中経済協会上海事務所北海道経済交流室室長 早田武志様、Suntory F&B International (SHA) Co., Ltd.董事長兼総経理 馬越英明様が出席しました。また、行楽創始人 袁静氏、行楽中国総経理 安達謙氏も参加しました。
– 各日のワークショップ
地方都市をテーマにしたワークショップが各日に開催され、参加者は北海道の香りを楽しむハーブ蝋燭作りや、静岡県の竹細工、富山県の花器作り、九州地区の風呂敷包み、沖縄県の珊瑚染めなど、各地域の特色を生かしたエコライフの体験を通じ、日本の伝統文化を深く理解することで、さらなる訪日への意向を高める取り組みとなりました。
双方向型のワークショップを通じて、日本の自治体や企業は自地域の魅力を発信し理解をしてもらうと同時に、参加者から生のフィードバックを得ることで、今後の深度游の提供にむけて深い洞察を行う機会を得ました。参加者である中国の20代の新エリート層は、日本の文化をより深く知り、自身の生活をより豊かにするヒントを得ることで、訪日に対する意欲が高まり、日本の地方都市への視野を広げることができました。
<参加者の声>
◆ワークショップ提供自治体
・静岡県 上海事務所
「中国で日本のサステナブルな文化体験を提供するといった、これまであまり無いテーマのイベントでしたが、参加者から「簡単そうに見えたが思ったよりも難しく、職人の技術力を感じる」などの声が聞け、静岡県の伝統産業の理解を促し、県の新たな魅力をお伝えすることができました。」
・鹿児島県 上海事務所
「鹿児島をはじめ九州各県の焼酎、清酒、リキュールなどを試飲いただき、原料による味わいの違いなど、その多彩な魅力を体感いただけたものと思います。また、イベントを通じて、「エコ」や「文化」がウィズ・アフターコロナの重要な観光コンテンツであることを再認識しました。」
◆ワークショップ参加者の声
・30代、大学卒、マネージャー(保険)
訪日回数:8回、日本の伝統文化が好き
「今回のイベントを通じて、日本のSDGsをよりよく理解し、北海道のアドベンチャーツーリズムを体験したくなりました。」
・20代、大学院卒、ディレクター(ヘルスケア)
訪日回数:4回、日本のグルメが好き、アウトドアに興味がある
「静岡県の千筋細工に込めた匠精神に感心し、日本の伝統技術と現代生活の融合を学びたくなりました。」
・40代、大学卒、会社経営(不動産)
訪日回数:22回、日本の伝統文化が好き
「富山県が好きになって、トロッコ列車に乗ることと、銅器「折井」の工房を見学に行きたい。」
・30代、大学院卒、上海代表処代表(外資サイエンステクノロジー)
訪日回数:10回、日本のグルメ、伝統文化、工芸品が好き
「日本の華道文化、 富山県の旅行情報と工芸品など、たくさん勉強になりました。5年マルチビザが発給されたら、すぐ日本へ行く予定。」
・30代、大学卒、エンジニア(IT)
訪日回数:2回、日本の先端技術に興味がある
「今回のイベントを通じて、日本のエコ理念に感心した。今後はプラスチック製品の使用を控えて、エコバッグや風呂敷で作ったバッグを利用して、先生のような優雅な女性になりたい。」
・20代、大学卒、自由職業、富二代
訪日回数:1回、日本の文学、芸術、伝統 文化が好き
「日本のSGDsや伝統文化とモダンライフスタイルの融合を深く感じられた。出身地の環境汚染がひどくなりつつあり、 日本で学ぶところがいっぱいあると思う。」
<イベントに参加した新世代エリートKOCと、SNSでの2次拡散>
年齢層25〜40歳の訪日リピーターや、日本文化が大好きで、RED、Weibo、Douyin、視頻号/大衆点評においてフォロワー数5万以上の新世代エリートKOCがイベントに参加しました。彼らの趣味は旅行、グルメ、撮影、ファッション、アウトドアなど多岐にわたります。わずか数十名のKOCのイベント後の発信によるインプレッション数は合計108万を突破しています。
行楽ジャパンは、新世代の中国エリート層に向けて、日本のエコ観光と伝統文化の継承を紹介するこのイベントを通じて、中日両国の文化旅行に対する共通課題に取り組み、持続可能な生態環境の構築に貢献することを目指しました。
また、中国高付加価値旅行者の日本旅行が、単なる観光から深い文化体験や知識を求める体験・学習型旅行へと進化することを期待した取り組みとなりました。
<今後の展望>
行楽ジャパンは、自社運営の訪日メディア「行楽」や、富二代を中心とした 中華圏富裕層コミュニティ「行楽エリートクラブ」の運営経験とデータを活用し、 中華圏富裕層に驚きと感動を与える深度游の提供を通じて、訪日インバウンド支援を行っています。
2023年3月31日に、観光立国推進基本計画(第四次)が閣議決定され、持続可能な観光地域づくりに関する中期目標を定めています。その中でも重要な骨子の1つであるインバウンドにおいて、地理的に隣接し、歴史的な交流がある中華圏のインバウンドの重要性を無視することができません。
観光資源の磨き込みを通じた深度游の提供により、日本文化を尊敬し深い交流を望む中華圏富裕層と日本の地域資源をマッチングすることで、訪日時の1人あたりの消費額の上昇や、宿泊期間が長期化することに寄与し、地域資源への負荷をおさえながら、経済合理性のある観光立国の実現にむけて、引き続き尽力してまいります。
今後も日本の観光において重要な役割を果たしている官公庁・自治体・DMOのみなさま、訪日時の素晴らしい体験を提供してくださる民間企業のみなさまと、協業を続けていきたいと思っております。
・高付加価値旅行体験を磨きあげる方法を模索している
・地域全体で旅行体験を提供し、サステナブルな発展を目指す仕組みの構築を目指している
・重要度がます中華圏富裕層との接点を強化したいと思案している
このような悩みを共に解決するパートナーとして、行楽ジャパンは引き続き尽力して参ります。